「ぱちんこ」という日本独自の娯楽文化を 100 年近く提供し続けてきた遊技産業は、人々の生活に寄り添いながら歴史を重ね、時代に呼応する形で進化・成長を遂げてきました。しかしながら、遊技業が産業として確立された昭和から、平成・令和へと時代が移り変わる中で、人々の価値観、社会環境は、"サスティナブル(持続可能な)"をキーワードにドラスティックな変化を遂げつつあります。そしていま、その変化に呼応し、サスティナブル社会の中で"在るべき産業の姿"を追求する時期にきているといえるでしょう。
現在、遊技産業が置かれている立場を直視すると、その社会情勢から、産業としての社会的責任の果たし方、産業が存在することで生じる負の影響対策についての考え方、そして産業・企業内におけるこれらの位置付けを転換し、"社会との調和"を前提とした新たな産業価値の創造に舵を切る必要性が指摘されます。それができて初めて、産業の持続可能な成長を現実的なものとして見据えることが可能になるでしょう。
その実現に向けては、エビデンスに基づく効果検証を通じて自分たちの取り組みの妥当性を検証し、その成果を社会と共有していくことが不可欠です。しかし、こうした検証を担う研究基盤や、科学助成を通じて研究を継続的に支える仕組み、産学連携を推進していく枠組みが十分に整備されてきたとは言えません。
またパチンコ・パチスロという機械的な側面に視点を移すと、国際的な観点からは、これら遊技機がカジノのギャンブルマシン/ゲーミングマシン(EG)と同じ扱いを受けており、その演出力の高さからカジノマシンよりも高い依存性を示す論文が既に存在しています。また、これを根拠にパチンコ・パチスロという娯楽の存在を問題視するレポートや冊子も発刊されています。こうした国内外の評価や既存研究を前提としつつ、日本のパチンコ・パチスロが有する制度的特徴や遊技環境、利用実態を踏まえた科学的検証が不可欠です。エビデンスに基づく検討を通じて健全性に関する理解を促進し、産業全体の健全性や信頼性を示していく必要があります。
この組織は、遊技産業の存在価値の最大化を図ると同時に、負の影響を最小化することを目的としています。具体的には、遊技産業を持続可能な産業と成し得る"新たな戦略的フレームワーク"を提供し、この定着を図ります。また、産業のSDGs戦略として"未来志向の負の影響対策"を概念化し、その実践を通して、社会に遊技産業の新たな価値化を促すとともに、社会とのコミュニケーションに基づいたCSR ビジョンを提案。"社会に必要とされる産業"になるロードマップを示し、社会と調和した産業としてのレーゾンデートル(存在意義)強化を目指します。
一般社団法人 健全パチンコ・パチスロ推進フォーラム
西村 直之
